ばいじん・粉じん特論のバグフィルターに関するまとめ
ダスト層の圧力損失
コゼニー・カルマンの式
$$ΔP_{d}=\frac{180}{d^{2}_{ps}}\frac{(1-ε)^{2}Lμu}{ε^{3}}$$
$$ΔP_{d}=\frac{180}{d^{2}_{ps}}\frac{(1-ε)m_{d}μu}{ε^{3}ρ_{p}}$$
$ΔP_{d}$:ダスト層の圧力損失[Pa]、$L$:ダスト層の厚さ[m]、$μ$:ガス粘度[Pa・s]、$u$:ガス流速[m/s]、$d_{ps}$:ダスト層の比表面積径[m]、$ε$:ガス空隙率[-]、$m_{d}$:ダスト負荷[kg/m3]、$ρ_{p}$:ガス密度[kg/m3]
バグフィルターの圧力損失
$$ΔP=ΔP_{f}+ΔP_{d}=(ξ_{f}+αm_{d})μu$$
$ΔP$:バグフィルターの圧力損失[Pa]、$ΔP_{f}$:ろ布の圧力損失[Pa]、$ΔP_{d}$:ダスト層の圧力損失[Pa]、$ξ_{f}$ろ布の汚れ係数[m-1]、$α$:ダスト層の比抵抗[m/kg]、$m_{d}$:ダスト負荷[kg/m2]、$μ$:ダスト粘度[Pa・s]、$u$:ろ過速度[m/s]
マノメーターの異常指示値
①異常な増大の原因
- 風量増大
- ろ布の目詰まり
- ホッパー内捕集ダストの再飛散
- ろ布の湿りによるダストの固着
②異常な減少の原因
- 風量減少
- ろ布破れによるダストの漏れ
- 払い落とし過剰
- マノメータ導管の詰まり
ろ布
各ろ布の特徴
- 織布(30~40%)の空隙率は不織布(70~80%)よりも小さい
- 織布(0.02m/s)の見かけろ過速度は不織布(0.04~0.07m/s)より小さい
- 長繊維製は表面が滑らかで付着性ダストの剥離性が良いが、捕集性が低い
- 短繊維製はろ布表面に薄いダスト層を形成しやすく捕集性も良いが、強度や剥離性が劣る
- 未使用フィルターの部分集じん率は、運転時の払落し直後のフィルターより低い
- 常用耐熱温度はテフロン(250℃)、ガラス(250℃)、 ポリイミド(260℃)は強く、バイレン(80℃)は弱い
- 耐酸・耐アルカリ性に優れる:テフロン、ガラス繊維、ポリフェリレンサルファイドPPS、ポリイミド
- 耐酸性に優れる:アクリル、バイレン
- 耐アルカリ性に優れる:ナイロン
- 酸に弱い:木綿
- 酸・アルカリに弱い:ポリエステル
ろ布材の加工
ろ布材加工方法
- ディッピング加工:ろ材を薬剤に浸漬した後、乾燥固着させる方法
- コーティング加工:樹脂をスプレー等でろ布表面に付着、乾燥させる方法
- 膜加工:網状の薄膜を捕集表面に張り付ける方法
- 平滑加工:高温の2つの鏡面ドラムの間にフェルトろ布を通して表面を鏡のように平滑に仕上げる方法
- 毛抜き加工:ろ布表面の毛羽を焼き切って起毛を除く方法
ろ布材加工の特徴
- ディッピング加工:耐食性、撥水性・撥油性に優れる
- コーティング加工・膜加工:捕集性、剥離性に優れる
- 平滑加工・毛抜き加工:剥離性に優れる
ダストの払落し方式
ダスト払落し方式の特徴
- 間欠式払落し:ダストが清浄ガスに逸脱せず、集じん率が高い
- 連続式払落し:ダスト濃度の高いばい煙や、かなり付着しやすいばいじんの処理に向いている
ダストの払落し装置
ダスト払落し方式の特徴
①振動形(間欠式)
- 振動数と振幅を制御することで払落し力を制御する
- 振動数が大きいとダストを一様に剥離するのに有効であるが、粗大ダストを含まない微細ダストや凝集性ダストでは逆効果になる
- 振幅が大きいほど、ダスト層に大きな亀裂が生じやすく、剥離には有効だが、大きな剪断力がかかるため、ろ材の損傷を招くおそれがある
- 払落しは15~60秒間行われる
- 小風量から大風量まで広い用途に使われる
②逆圧形や逆洗形(間欠式)
- 払落し効果が小さいので、剥離性の良いダストに用いられる
- 逆洗形はセメントや鉄鋼などで使用され、ガラス織布を使って非鉄金属製錬などにも用いられる
③パルスジェット形(連続式)
- 含じんガスはろ布の外側から流入し、払落し用の圧縮空気をろ布上部から瞬時に吹き込み払い落とす
- 集じん室を多室に区切る必要がないためガス流量の変動が小さく、ろ過速度を大きくできるためコンパクト
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