障害物形式集じん装置【公害防止(大気)ばいじん・粉じん特論】

ばいじん・粉じん特論

ストークス数

粒子の沈降速度に関係するパラメータで障害物形式の集じん装置の性能評価に用いられる

$$S_{tk}=\frac{d^{2}_{p}ρ_{p}v}{9μd}$$

$S_{tk}$:ストークス数、$d_{p}$:ダスト粒子径、$ρ_{p}$:ダスト密度、$v$:速度、$μ$:ダスト粘度

大きいほど沈降速度が速くなり、捕集効率が大きくなる

洗浄集じん装置

  • 洗浄集じん装置とは液滴や液膜などの液体を捕集媒体とする集じん装置
  • 液ガス比で性能評価を行い、小さいほど捕集効率がいい

各装置の集じん方法と特徴

①ため水式

  • 集じん室内に一定量の水または液体を保有し、含じんガスを高速で通過させ、液滴や液膜を形成して含じんガスの洗浄を行う
  • 処理ガス速度が大きいほど細かい液滴が大量に形成され、集じん率が高くなる
  • 保有水を循環させるため、わずかな水の補給で集じんできる

②加圧水式

  • 加圧水を噴射して含じんガスの洗浄を行う
  • ベンチュリスクラバー、スプレー塔、サイクロンスクラバーなどがある
  • ベンチュリスクラバー・ジェットスクラバーではガス流速が大きいほど、細かい液滴が形成され、微細なダストを捕集できる
  • ベンチュリスクラバーはガス流速が大きいほど、最適液滴径が大きくなる
  • ベンチュリスクラバー 液ガス比が大きいほど、液滴径は大きくなり、圧力損失は大きくなる
  • スプレー塔・サイクロンスクラバーでは塔内の見かけガス速度が小さく、液ガス比が大きく、含じんガスと液滴の接触している時間が長いほど、集じん率は高い

③充填層式

  • 塔下部から流入した含じんガスは充填物表面の水膜と接触して捕集される
  • 塔内の見かけガス速度が小さく、充填層での含じんガスの滞留時間が長いほど、集じん率は高い
  • 充填物の比表面積または充填密度が大きく、充填塔槽内のガスの流れが均一であるほど、集じん率は高い

④回転式

  • ファンの回転を利用して供給水と含じんガスを攪拌して、供給水によって形成された多数の液滴、水膜あるいは気泡によってダストを除去する
  • 回転数が大きいほど、液ガス比が大きいほど、運転動力費は大きくなるが集じん率は高い

集じん装置の流速

装置の種類流速[m/s]
ベンチュリースクラバー60~90
遠心集じん装置10
サイクロンスクラバー1~2
重力集じん(重力沈降室)1~2
充填塔0.5~1
バグフィルター0.003~1

洗浄集じん装置の50%分離粒子径$d_{p50}$

装置の種類$d_{p50}$[μm]
スプレー塔3
充填塔1
サイクロンスクラバー1
ジェットスクラバー0.2
ベンチュリースクラバー0.1

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