【公害防止(大気)大気有害物質特論】特定物質の特徴

大気有害物質特論

公害防止(大気)大気有害物質特論の「特定物質の特徴」に関する覚えるポイントをまとめました

時間に余裕がない人は1~4と各物質の状態と色を覚えましょう

最後に一覧表があるので、時間がある方は5.特定物質の特徴(一覧表)も確認してください

特定物質とは

特定物質とは化学処理に伴って発生する物質のうち事故によって排出されると人の健康または環境に被害が生じるおそれのある物質(28物質)

特定物質の特徴

爆発性を有する物質

爆発性を有するのは13物質

  1. アンモニア
  2. シアン化水素
  3. 一酸化炭素
  4. ホルムアルデヒド
  5. メタノール
  6. 硫化水素
  7. りん化水素
  8. アクロレイン
  9. 二硫化炭素
  10. ベンゼン
  11. ピリジン
  12. ニッケルカルボニル
  13. メルカブタン

爆発範囲:ホルムアルデヒド > 一酸化炭素

引火点が低い物質

引火点が低い物質は6物質

  1. シアン化水素
  2. メタノール
  3. ベンゼン
  4. ピリジン
  5. アクロレイン
  6. 二硫化炭素

水に対する溶解度

  • 水に対する溶解度が無限大
    1. ふっ化水素
    2. シアン化水素
  • 水によく溶ける物質
    1. アンモニア
    2. ホルマリン
  • 水にそれなりに溶ける
    1. 二酸化硫黄
  • 水にあまり解けない物質
    1. 二硫化水素
  • 水に難溶
    1. 黄りん

水溶液がアルカリ性

水に溶けるとアルカリ性を示す

  1. アンモニア
  2. ピリジン(弱アルカリ性)

水溶液が弱酸性

水に溶けると弱酸性を示す6物質

  1. シアン化水素
  2. 二硫化硫黄
  3. フェノール
  4. 二酸化セレン
  5. ふっ化水素
  6. 塩化水素

空気より比重が小さい

空気の比重29より比重が小さい物質は4物質

  1. アンモニア
  2. ふっ化水素
  3. シアン化水素
  4. 一酸化炭素

不燃性

不燃性の物質は11物質

  1. アンモニア
  2. ふっ化水素
  3. 塩化水素
  4. 二酸化硫黄
  5. 二酸化窒素
  6. 塩素
  7. 硫酸
  8. ホスゲン
  9. クロルスルホン酸
  10. クロロ硫酸
  11. 臭素

事故・漏洩時の措置

対処方法

  • 特定物質が漏洩または飛散した場合、被害を及ぼすと考えられる区域内の人々に警告し、風下の人々は速やかに風上の安全な場所に避難させる
  • ガス状の物質または揮発性の物質では、空気より重いものは低所を漂う傾向があるので拡散が速やかに行われるように措置する
  • 引火・爆発性の危険のある物質については、着火源となるものを速やかに取り除くとともに、爆発性混合気をつくらないように措置する
  • 特有のにおいを有する物質の場合は、空気呼吸器防毒マスクなど身を守った上でガス検知器検知管を使って漏洩箇所や漏洩の度合いを調べる
  • 水に対する溶解度が大きい物質の場合は、一般に大量の水により水洗除去する

対処方法と該当する特定物質

  • 被害を及ぼすと考えられる区域への立ち入り禁止
    1. ホスゲン
    2. 一酸化炭素
    3. シアン化水素
    4. りん化水素
  • 事故時に水で流す(6物質)
    1. アンモニア
    2. ふっ化水素
    3. 塩化水素
    4. ピリジン
    5. フェノール
    6. 硫酸
  • 注水不可(水に対する溶解熱が大きい物質)
    1. 塩素
    2. クロルスルホン酸
    3. ふっ化水素
  • アルカリ剤で中和
    1. ふっ化水素
    2. 塩化水素
    3. 塩素
    4. 硫酸

各特定物質の処理方法

メルカブタン

  • 着火源となるものの速やかな除去
  • 爆発性があるため、爆発性混合気をつくらないようにする

ふっ化水素

  • 炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムによる中和
  • 水に対する溶解熱が大きいため注水不可

シアン化水素

  • 硫酸鉄(Ⅱ)の水酸化ナトリウム溶液による処理を行い、無害なヘキサシアノ鉄(Ⅱ)ナトリウムにする
  • 毒性強い

クロルスルホン酸

  • 水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムの散布や中和
  • 水と反応すると塩酸や硫酸が生じる

特定物質の特徴(一覧表)

特定物質状態爆発性引火点水への溶解度比重
対空気
特徴
1アンモニア
NH3
気体
2ふっ化水素
HF
気体無色無限大炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムで中和した後、水洗
3シアン化水素
HCN
液体 無色 無限大
4一酸化炭素
CO
気体無色
5ホルムアルデヒド
HCHO
気体刺激臭
6メタノール
CH3OH
液体無色任意の割合で混合
7硫化水素
H2S
気体あまり溶けない腐敗臭
8りん化水素
PH3
(ホスフィ
ン)
気体猛毒
9アクロレイン液体無色
10二硫化硫黄
SO2
気体それなりに溶ける・不燃性
・刺激臭
11二硫化炭素
CS2
液体無色~淡黄・燃焼により二酸化炭素と二酸化硫黄を発生
・150℃以上の高温では水と反応して二酸化炭素と二硫化硫黄を発生
12ベンゼン
C6H6
液体
13ピリジン
C5H5N
液体水溶液が弱アルカリ性
14フェノール
C6H5OH
固体白、淡紅・水溶液は弱酸性
・水酸化ナトリウムで中和
15硫酸
H2SO4
液体無色×なし金属と反応して水素を発生
16ホスゲン
COCl2
気体×なし・猛毒
・水と反応すると二酸化炭素と塩化水素が発生
・水酸化ナトリウム溶液に吸収
17二酸化セレンSeO2固体・水溶液が弱酸性
・潮解性
18クロルスルホン酸
(クロロ硫酸)
液体無色~淡黄×・不燃性
・ほとんどの金属と反応して水素を発生
・水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムで中和
19黄りん固体黄色×難溶空気中で酸化されて白煙発生
20三塩化りん
PCl3
液体無色湿った空気中で発煙し、ホスホン酸と塩化水素を生成
21臭素Br2液体赤褐なし難溶
22ニッケルカルボニル
Ni(CO)4
液体無色
23五塩化りん
PCl5
固体白~淡緑
24メルカブタン
C2H5SH
液体
25塩化水素
HCl
気体×・刺激臭
・不燃性
・水があると金属と反応して水素を発生し、爆発する
26二酸化窒素
NO2
気体
27塩素
HCl
気体黄緑×不燃性
28ふっ化けい素気体刺激性

コメント

タイトルとURLをコピーしました