公害防止(大気)大気特論の「燃焼と装置」に関する覚えるポイントをまとめました
気体燃料の燃焼
燃焼方法の種類・特徴
- 予混合燃焼
- 燃料ガスと空気をよく混合させて混合ガスをバーナーから燃焼室内に噴出させる
- 混合気流速が小さくなると逆火の危険性がある
- 拡散燃焼
- 燃料と二次空気を別々に噴出させ、拡散によって燃料と空気を混合させながら燃焼する
- 気体燃料の噴出速度が小さいときは層流、大きいときは乱流になる
- 層流域では流速の増加にほぼ比例で火炎が長くなる、乱流域では火炎の長さは噴出速度に関係なく一定
液体燃料の燃焼
燃焼方法の種類・特徴
- 油圧式バーナー
- 油そのものを加圧して噴霧する
- 火炎形状は広角で短炎
- 負荷変動の少ない大型ボイラーに適している
- 戻り油式と非戻り油式がある
- 戻り式は戻り油の量で油量を調整、非戻り式は圧力を変化させることで油量を調整
- 戻り油式の方が油量調整範囲は広い
- 回転式バーナー
- 回転による遠心力で油を噴霧する(軸回転数は3000~7000回転/分)
- 火炎形状は広角で長さは変化できる
- 負荷変動のある中・小型ボイラーに適している
- 高圧気流式バーナー
- 高圧の空気または蒸気を油にぶつけることで噴霧する
- 火炎形状は狭角で長炎
- 油量調整範囲が広い
- 油と噴霧媒体の混合位置により内部混合形と外部混合形がある
- 低圧空気式バーナー
- 数kPa程度の低圧空気(理論空気量の30~40%)を油と混合しながら噴霧する
- 火炎形状は狭角で短炎
- 小型加熱炉などに適している

火炎形状・適した設備・油量調整範囲は必ず覚えましょう
石炭燃焼装置
石炭の燃焼方法
- ガス流速により固定相燃焼・流動層燃焼(気泡流動層、循環流動層)・微粉炭燃焼の3つの燃焼方法に分類される
- 微粉炭燃焼は固定相燃焼と比べると遥かに流動性が高く、ガスや油燃焼に近い
燃焼方法 | ガス流速 [m/s] |
---|---|
固定相燃焼 | 0.8~1.5 |
気泡流動層燃焼 | 1~2 |
循環流動層燃焼 | 4~8 |
微粉炭燃焼 | 10~15 |
ストーカー燃焼と装置
ストーカー燃焼装置とは
直径 30mm 程度までの石炭を機械的に連続して火格子上に供給して燃焼させ、灰の取り出しも連続的に行う燃焼装置
ストーカー燃焼装置の種類と特徴
- 散布式ストーカー
- 供給調節機能を有するスクリューフィーダーにより回転するローター羽に平均して石炭が供給される
- ローターにより大粒径のものは遠くへ、小粒径のものは近くへ散布され、微粉は浮遊燃焼する
- 移床式ストーカー
- 移床の回転によりホッパー内の石炭を載せて一定層厚にして火炉内に送り燃焼する
- コルゲートによって炭層の厚さを加減
- 変速装置によって火格子の移動速度を加減して供炭量を調整
流動層燃焼と装置
流動層燃焼とは
石炭と石灰石を固体粒子として燃焼させる方式
この方法を応用したのが流動層燃焼ボイラーであり、常圧式と加圧式がある
流動層燃焼装置の特徴
- 脱硫および窒素酸化物の生成抑制に効果あり
- ボイラーの構造が少なくて済む
- 伝熱面積が少なくて済む
- 広範囲の燃焼に適用できる
- 微粉炭機が不要である
- 灰が溶融することがないので、そのための対策が不要
- 建設費が安い
微粉炭燃焼と装置
微粉炭燃焼とは
石炭を粉砕して極めて微細な粒子とし、燃焼室内に吹き込んで燃焼させる
大形ボイラーに使われる
ガスタービン
- ガスタービンは圧縮機・燃焼器・タービンの3つの要素から成り立っている
- 都市ガス、LNGのほかに軽油、灯油なども使用できる
- 燃焼によりNOx、SOx、ばいじんが発生
- 燃料中のNは少ないが(都市ガス、LNGは不純物が少ない)、燃料を高温で加熱するためサーマルNOxが主である
- サーマルNOxの生成を抑えるには高温燃焼領域の滞留時間を短くすることが有効
- 燃焼器の圧力が上昇すると、ガス化しやすくなる、ガス流速増加、ばいじん発生量増加
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