【公害防止(大気)大気特論】大気特論測定技術

公害防止管理者(大気)

公害防止(大気)大気特論の「燃焼試験法」に関する覚えるポイントをまとめました

気体燃料試験法

燃焼ガスおよび天然ガスの一般成分・特殊成分分析、発熱量、比重試験方法がJISで規定されている

一般成分および特殊成分は下記物質である

一般成分(7種類)炭化水素類
水素H2
ヘリウムHe
一酸化炭素CO
二酸化炭素CO2
酸素O2
素N2
特殊成分(5種類)全硫黄
硫化水素H2S
アンモニアNH3
ナフタレン
水分

発熱量測定法

気体燃料
  • 気体燃料の発熱量は下記の方法で測定する
    1. ユンカース式流水形熱量計ガス燃料計で測定
    2. ガスクロマトグラフ法で得られた成分組成から計算
  • ユンカース式流水形熱量計では低発熱量は測定できない
  • 組成から計算する場合は、分析で得られる体積分率を圧縮係数や圧縮加算計数を用いて補正する
液体燃料
  • 液体燃料の発熱量は改良形熱研式熱量計で測定
  • 熱量測定値を補正するために必要な機器固有の熱当量を求めるため、標準物質として安息香酸を使用
  • 加圧酸素雰囲気で試料を燃焼させる
  • 測定結果には点火線や生成酸の発熱量を含むため、これらの補正値を考慮して発熱量を算出する

排ガス採取方法

採取口
  • ダクトの屈曲部分や断面形状が急激に変化する部分を避ける。断面積が一定で安全が確保できる部分であれば水平でも鉛直でも構わない
  • 採取点による差異が平均値±15%以下であれば任意の一点のみを採取点にできる
  • ダクト濃度測定用の大口径採取口のフランジを加工して同じ採取口に化学分析用の試料採取管を設置できる
  • 試料ガス中の水分や露点の高いガス成分が凝縮する恐れがある場合には、採取管や導管を200℃程度に加熱する
  • 吸収瓶を直列2個にするのは、1つ目で補修しきれなかった硫黄酸化物を2つ目で確実に補修するためである
採取管の材質と測定できない物質
材質使用できない物質(測定物質)
シリカガラス・セラミックスふっ化水素
ステンレス鋼塩素・塩化水素・メルカプタン
チタン・四ふっ化エチレン樹脂塩素
導管の材質と測定できない物質
材質使用できない物質(測定物質)
シリカガラスふっ化水素
ステンレス鋼塩素・塩化水素・メルカプタン
四ふっ化エチレン樹脂塩素
硬質塩化ビニル樹脂アンモニア・メルカプタン
接手管の材質と測定できない物質
材質使用できない物質(測定物質)
シリコーンゴム塩素
クロロプレーンゴムアンモニア・塩素・塩化水素・ふっ化水素・メルカプタン
ろ過材の材質と測定できない物質
材質使用できない物質(測定物質)
無アルカリガラスウール
シリカウール
焼結ガラス
ふっ化塩素
ステンレス鋼網
焼結ステンレス鋼
塩素・塩化水素・ふっ化水素・メルカプタン
多孔質セラミックス塩素・ふっ化水素・メルカプタン
四ふっ化エチレン樹脂塩素・メルカプタン

排ガス中の二酸化硫黄自動計測システムおよび自動計

計測器
SO2計測器の種類妨害物質
溶液導電率方式二酸化炭素CO2
二酸化窒素NO2
アンモニアNH3
塩化水素HCl
赤外線吸収方式・干渉分光方式水分
二酸化炭素CO2
炭化水素
紫外線吸収方式二酸化窒素NO2
紫外線蛍光方式芳香族炭化水素
二酸化硫黄自動計測器
試料採取部の構成使用材料・機器
導管四ふっ化エチレン樹脂(耐熱性・耐薬品性)
除湿器空冷・電子冷却・半透膜気相除湿方法
二次フィルターシリカ繊維または四ふっ化エチレン樹脂
吸引ポンプダイアフラムポンプ
流量計フロート形面積流量計

排ガス中の窒素酸化物分析方法

測定原理と特徴(分析対象:NO+NO2

①亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(Zn-EDTA)

NOxをオゾンで酸化し、吸収液に吸収させて硝酸イオンにする。亜鉛により硝酸イオン亜硝酸イオンに還元。発色試料を加える。波長545nmの吸光度を測定

  • 定量下限値が最も小さい1vol%

②ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(NEDA)

NOx をアルカリ性の吸収液に吸収させて亜硝酸イオンにする。発色試料を加える。波長545nmの吸光度を測定

③イオンクロマトグラフ法

NOxをオゾン酸素で酸化し、吸収液に吸収させて硝酸イオンにする

④フェノールジスルホン吸光光度法

NOx をオゾン酸素で酸化し、吸収液に吸収させて硝酸イオンにする。発色試料を加える。波長400nmの吸光度を測定

⑤ザルツマン吸光光度法

NO2を吸収発色液に通して発色させる。545nm の吸光度を測定。

  • NO2 のみ分析吸収瓶を使用

排ガス中の窒素酸化物自動計測システムおよび自動計測器

測定原理と特徴

①化学発光方式(測定対象:NO)

NOとオゾンの反応で生じた励起状態のNO2が基底状態のNO2に移る際に発する光を測定する

  • 前処理としてNO2NOに還元する必要がある

②赤外線吸収方式(測定対象:NO)

NOと5.3µm付近における吸収量変化を測定する

  • 測定前にNO2はNOにコンバーターで還元する
  • 妨害物質:水分二酸化炭素CO2炭化水素
  • セル窓:ふっ化カルシウム板

③紫外線吸収方式(測定対象:NO・NO2

NOまたはNO2の紫外線領域における吸収量変化を測定する

  • セル窓:石英板

④差分光吸収方式(測定対象:NO・NO2

NOまたはNO2の吸収ピークと端部との吸収信号の差から濃度を測定する

燃料の分析

気体燃料(燃料ガス・天然ガス)
対象物質分析方法
全硫黄過塩素酸バリウム沈殿滴定法
ジメチルスルホナゾⅢ吸光光度法
イオンクロマトグラフ法
微量電量滴定式酸化法
紫外蛍光法
硫化水素よう素滴定法
メチレンブルー吸光光度法
酢酸鉛試験紙法
炎光光度検出器付ガスクロマトグラフ法
アンモニア中和滴定法
インドフェノール吸光光度法
硝酸銀-硝酸マンガン試験紙法
イオンクロマトグラフ法
ナフタレンガスクロマトグラフ法
水分露点法
吸収ひょう量法
液体燃料
対象物質分析方法
ガソリン・灯油・軽油中の硫黄酸水素炎燃焼式ジメチルスルホナゾⅢ滴定法
ジメチルスルホナゾⅢ滴定法
軽油・重油・原油中の硫黄燃焼管式空気法
放射式励起法
液化石油ガス中の硫黄酸水素炎燃焼-過塩素酸バリウム沈殿滴定法
窒素マクロケルダール法
微量電量滴定法
化学発光法
固体燃料(石炭)
対象物質分析方法
炭素・水素シェフィールド高温法
リービッヒ法
全硫黄エシュカ法
高温燃焼法
灰中の硫黄重量法
高温燃焼法
窒素セミミクロケルダール法

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