【公害防止(大気)大気概論】大気汚染物質と有害汚染物質の環境基準と達成率

公害防止管理者(大気)

公害防止(大気)大気概論の「大気汚染物質と有害汚染物質の環境基準と達成率」に関する覚えるポイントをまとめました

環境基準の定義・達成率・年平均値は頻出です

環境基準は年・日・時間平均値が複数出てくるので正確に覚えましょう

有効局数は問われる場合があるので、オーダーを把握しておきましょう

環境基準

環境基準とは

人の健康を保護し、および生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準

環境保全施策を実施していく上での行政上の目標として定められる

工業専用地帯、車道その他一般公衆が生活していない地域または場所については適用しない

ちなみに排出基準とは、工場などが遵守することを求められる規制基準

大気汚染物質の環境基準と達成率

二酸化窒素NO2の環境基準と達成率

環境基準

  • 1 時間値の1日平均値0.04~0.06ppm
  • 1 時間値の1日平均値0.06ppmを超える地域は達成されるように努めるものとし、その達成期間は原則7年以内とする

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • 達成率:一般局自排局ともに100%
  • 有効局数(R5年):一般局1151、自排局357
  • 測定方法:ザルツマン試薬または中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法

浮遊状粒子物質SPMの環境基準と達成率

環境基準

1時間値の1日平均値0.10mg/m3以下であり、かつ1日平均値が0.20mg/m3以下

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • 達成率:一般局99~100%、自排局100%
  • 年平均は緩やかな減少

微小粒子状物質PM2.5の環境基準と達成率

環境基準

1年平均値が15µg/m3以下であり、かつ1日平均値が35µg/m3以下

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • R3年以降は一般局・自排局ともにほぼ100%を達成
  • 年平均値はH26年以降徐々に改善し、最近はほぼ横ばい
  • 一般局および自排局の達成率は、SPMの達成率よりも低い
  • 有効測定局数(R5年):一般局867、自排局233
  • 長期基準と短期基準の両方を達成した場合に、環境基準を達成したと評価

光化学オキシダントの環境基準と達成率

環境基準

1時間値0.06ppm以下

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • 達成率(R5年):一般局0.1%、自排局0%、発令延べ日数約45日
  • 有効局数(R5年):一般局1137(達成1)、自排局31(達成0)
  • 昼間の1時間値の濃度レベル割合(R5年)
    • 0.06ppm以下が一般局95.0%・自排局95.8%
    • 0.06を超え0.12ppm未満が一般局5.0%・自排局4.2%
    • 0.12ppm以上が一般局・自排局ともに0%

測定方法:中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法・電量法、紫外線吸収法、エチレンを用いる化学発光法

二酸化硫黄SO2の環境基準と達成率

環境基準

1時間値の1日平均値が0.04ppm以下でありかつ1時間値0.1ppm以下

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • 達成率:一般局99%以上、自排局100%
  • 年平均:R2年以降一般局0.001ppm、自排局0.001ppm
  • 有効測定局数(R5年):一般局855、自排局41

一酸化炭素COの環境基準と達成率

環境基準

1時間値の1日平均値が10ppm以下でありかつ1時間値8時間平均値が20ppm以下

達成率

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」
  • 達成率:一般局・自排局ともに100%
  • 年平均値(R5年):一般局0.2ppm、自排局0.3ppm
  • 有効局数:一般局51、自排局209

環境基準の達成期間

  • 明示されている:二酸化硫黄5年)・二酸化窒素7年
  • 具体的に明示されていない:一酸化炭素光化学オキシダント浮遊粒子状物質

有害汚染物質の環境基準と達成地点数

環境基準

対象物質環境基準
ベンゼン1年平均値が0.003mg/m3以下
トリクロロエチレン1年平均値が0.15mg/m3以下
テトラクロロエチレン1年平均値が0.13mg/m3以下
ジクロロメタン1年平均値が0.2mg/m3以下

環境基準超過地点数

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」

全ての地点で環境基準を達成

指針値

指針値とは

指針値とは健康リスクを低減を図るための指針となる値(11物質が対象)

指針値の達成(R4年)

すべての地点で達成(8物質)

  1. アクリロニトリル
  2. アセトアルデヒド
  3. 塩化ビニルモノマー
  4. 塩化メチル
  5. クロロホルム
  6. 水銀及びその化合物
  7. ニッケル化合物
  8. 1,3-ブタジエン

未達成あり(3物質)

  1. 1,2-ジクロロエタン
  2. ひ素およびその化合物(5地点で超過)
  3. マンガンおよびその化合物(1地点で超過)

指針値の超過地点

環境省(2025)「令和5年度 大気汚染状況について」

指針値の対象物質と指針値(参考)

対象物質指針値
アクリロニトリル1年平均値が2μg/m3以下
アセトアルデヒド1年平均値が120μg/m3以下
塩化ビニルモノマー1年平均値が10μg/m3以下
塩化メチル1年平均値が94μg/m3以下
クロロホルム1年平均値が18μg/m3以下
1,2-ジクロロエタン1年平均値が1.6μg/m3以下
水銀及びその化合物1年平均値が30ngHg/m3以下
ニッケル化合物1年平均値が25ngNi/m3以下
ひ素およびその化合物1年平均値が6ngAs/m3以下
1,3-ブタジエン1年平均値が2.5μg/m3以下
マンガンおよびその化合物1年平均値が140ngMn/m3以下

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