公害防止(大気)大気概論の「大気汚染物質と排出基準・発生源」に関する覚えるポイントをまとめました
大気汚染物質
大気汚染防止法で定める大気汚染物質は下記のとおりである
- ばい煙(硫黄酸化物・ばいじん・有害物質)
- 揮発性有機化合物VOC
- 粉じん(一般粉じん・特定粉じん)
- 水銀等
- 特定物質
- 有害大気汚染物質(優先取組物質・指定物質)
- 自動車排ガス

ここから対象物質を紹介します
赤字の物質は覚えましょう
有害物質とは
物の燃焼・合成・分解・そのほかの処理に伴い発生する物質のうち、人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れがある5物質
- カドミウム及びその化合物
- 塩素・塩化水素
- ふっ素・ふっ化水素・ふっ化けい素
- 鉛及びその化合物
- 窒素酸化物NOx
揮発性有機化合物VOCとは
大気中に排出または飛散したときに気体であり、浮遊性粒子状物質やオキシダントの生成原因となる有機化合物
特定物質とは
人の健康もしくは生活環境に係る被害を生じる恐れがあるもの(28物質)
- アンモニア
- ふっ化水素
- シアン化水素
- 一酸化炭素
- メタノール
- 硫化水素
- りん化水素
- 塩化水素
- ホルムアルデヒド
- アクロレイン
- 二酸化窒素
- 二酸化硫黄
- 塩素
- 二硫化炭素
- ピリジン
- ベンゼン
- フェノール
- 硫酸
- ふっ化けい素
- 二酸化セレン
- ホスゲン
- クロロスルホン酸
- 黄りん
- 三塩化リン
- ニッケルカルボニル
- 臭素
- 五塩化りん
- メルカブタン
指定物質とは
人の健康に係る被害を防止するため、早急に排出を抑制しなければならない物質(3物質)
- ベンゼン
- トリクロロエチレン
- テトラクロロエチレン
自動車排ガス
自動車により排出される物質(5物質)
- 一酸化炭素
- 炭化水素
- 鉛化合物
- 窒素酸化物
- 粒子状物質
排出基準
ばい煙の排出基準は4つある
①一般排出基準
ばい煙発生施設ごとに国が定める基準
②特別排出基準
大気汚染の深刻な地域において、新設されるばい煙発生施設に適用されるより厳しい基準(硫黄酸化物・ばいじん)
③上乗せ排出基準
一般排出基準・特別排出基準では大気汚染防止が不十分な地域において都道府県が条例によって定めるより厳しい基準(ばいじん・有害物質)
④総量規制基準
施設ごとの一般排出基準等のみによっては環境基準の確保が困難な地域において大規模な工場または事業所に適用される工場または事業場ごとの基準(硫黄酸化物・窒素酸化物)
- 硫黄酸化物と窒素酸化物が対象
- 総量規制が適用される地域は硫黄酸化物が24地域、窒素酸化物が3地域
各物質の排出基準
各物質の排出基準は下記の内容で定められる
硫黄酸化物 | 地域区分+排出口高さ |
ばいじん | 施設の種類+規模 |
有害物質 | 物質の種類+施設の種類 |
特定有害物質 | 物質の種類+排出口の高さ |
発生源・施設と大気汚染物質
発生源・施設 | 大気汚染物質 |
---|---|
廃棄物焼却炉 | 水銀 |
コークス炉 | ばいじん 二酸化硫黄SO2 一酸化炭素CO ベンゼン |
塗装施設 | トルエン キシレン |
印刷施設 | イソプロピルアルコールなどのVOC |
洗浄施設・ドライクリーニング施設 | テトラクロロエチレンなどの石油系溶剤 |
発生源・施設と有害物質
発生源・施設 | 有害物質 |
---|---|
亜鉛精錬(焼結炉、焙焼炉、溶解炉) | カドミウムおよびその化合物 |
塩素化炭化水素の製造・処理工程 | 塩素及び塩化水素 |
リン酸肥料製造工程(焼成炉、溶解炉) | ふっ素、ふっ化水素、ふっ化けい素 |
アルミニウム製錬 | ふっ素、ふっ化水素、ふっ化けい素 |
肥料、爆薬、薬品の製造工程 | 窒素酸化物 |
鉛精錬、鉛溶解炉 | 鉛 |
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