公害防止(大気)大気有害物質特論の「ガス吸着」に関する覚えるポイントをまとめました
ガス吸着とは
ガス吸着はガス中の特定成分を吸着材に吸着させて分離する操作
- 吸着等温線は一定温度におけるガス濃度(分圧)と平衡にある吸着量の関係を表す
- 脱着とは非吸着物質の分圧が下がるか、温度が上昇した時に、非吸着物質が吸着剤から離脱してガス中にでてくる現象である
- 破壊曲線とは吸着材を充填した相に吸着される物質を含む流体を流したときの、層出口における流体中の吸着質の濃度変化曲線(S字形曲線)
- 破壊点とは吸着質の濃度が入口濃度の5~10%に達した点
ガス吸着式
ラングミュアーの式
吸着層が単分子層からなるものと仮定して理論的に導かれた式
$$q=\frac{aKp}{1+Kp}$$
$q$:ガス分圧と平衡な吸着量、$p$:ガス分圧、$a$・$K$:定数
フロイントリッヒの式
吸着平衡の実験式、希薄な水溶液系や低濃度域でのガス吸着に適用
$$q=kp^\frac{1}{n}$$
$q$:吸着量、$k$・$n$:定数、$p$:ガス分圧
BETの式
吸着層の上にさらに吸着が生じる多分子層吸着をモデル化
ガス吸着装置の特徴
固定層吸着装置
- 粒状の吸着剤を充填した層にガスを通して吸着させる
- 濃度の高いガスの連続的な吸着を行う場合は、2基以上の吸着塔を用い、吸着‐脱着のサイクルを繰り返す
移動層吸着装置
- 吸着剤を充填状態で上部から下部へ移動させ、ガスを向流(下部から上部)または十字流に接触させる
- 吸着剤は吸着部から脱着部に送られ脱着される。短時間で吸着剤がリサイクルされるので使用量が少なくて済み、脱着に要する熱量も節約できる
- 吸着剤が移動に伴って破損するので、機械的強度の大きい吸着剤を選ぶ必要がある
- ハニカム形ローター式吸着装置は、低濃度ガスの濃縮に使用される
流動層吸着装置
- 上向きに流れるガスによって吸着剤の流動層を形成させる
- 移動層吸着装置よりもガス速度を大きくとることができ、処理量が大きいが、吸着剤の摩耗も大きい
吸着材剤
吸着剤には多孔性で比表面積が大きく吸着性が著しい固体である活性炭や、シリカゲルが利用される
活性炭の特徴
- 活性炭は極性が小さく、ファンデルワールス力により吸着し、非極性物質との相性が良い
- 炭素数の大きい炭化水素を吸着しやすい
- 非吸着物質にハロゲン系化合物を含む場合は、吸着剤である活性炭の表面が分解触媒として働き、腐食性ガスを生じることがある
- アンモニアなど塩基性ガス吸着には酸性成分添着炭、硫化水素など酸性ガスにはアルカリ成分添着炭が有効
- 排ガスの処理や有機溶剤の回収には、主にガス賦活炭が用いられる
シリカゲルの特徴
シリカゲルは極性物質との吸着に優れている
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